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![]() 第7回きらめき子育て賞 体験記部門 入賞作品10編 1. 親子の成長 影土井 洋治 金生 剛昌 紀村 修一 4. 障がい児の子育て 鴻野 享子 5. 「娘達の親育て」 笹川 めぐみ 6. ありがとう 清木 香奈枝 東山 敏忠 8. 恐怖のおむつ替え 中原 雄 9. 「愛情300%」 古屋 陽子 10. 仕事も好きだし、家庭も大事 横山 勝子 ※掲載は作者名五十音順
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仕事も好きだし、家庭も大事
二児の母となりました。私は五人姉妹の次女として賑やかな家庭に育ち、冗談交じりで言う母の「あなた達が五人ずつ子供を産めば二十五人の孫ができるから、保育園を作ろうかね」という言葉に、それは特別の事ではなく、普通に現実になることだろうと思っていました。人並みに結婚して、人並みに子供を産む人生を想像していたのです。やがて大学に進学するとやりたい事ができ、大学院進学を希望しましたが、女の子が大学院へ行って高学歴になると嫁のもらい手がなくなると反対され、迷った挙句に自分の信じる道を進む事にしました。待望の博士号を取得して希望した仕事に就く事ができ、この時点で既に、子供の頃に想像していた人生とは全く異なるものになっていましたが、好きな事とはいえ大変な苦労をして手に入れた仕事ですので、この先、仕事を辞めるという選択肢はあり得ません。結婚が決まった時も、遠方にいた主人に仕事を辞めて宇部に来てもらいました。長女が生まれた時も、すぐに仕事に復帰しました。しかしこちらは、考えていた以上に大変でした。夜泣きで徹夜三昧でも仕事はいつも通りありますし、おっぱいが張ってきたからといって、いつでも搾乳できるわけでもなく、乳腺炎と戦いながら何とか完全母乳で育てることができました。負けず嫌いの私ですが、さすがに、こんなにしてまで仕事を続ける意味があるのか…とさえ感じる時期もありました。それでも、人生の節目にはいつも主人の温かい気持ちに支えられ、今も仕事と育児の両立ができているのだと思っています。
次女の誕生により益々忙しくなりましたが、私が子供の頃に想像していた賑やかな家庭が現実のものとなりました。朝ご飯を皆で食べ、私は、長女を幼稚園に連れて行き、そのまま出勤します。次女の世話は、全面的に夫がしてくれるため、夫のオムツ替えの腕は達人の域に達しています。子供たちの迎えも夫にお願いし、私は夕飯のため職場から一度帰宅し、皆でご飯を食べます。出張などで無理な日もありますが、できるだけ食事の時間を一緒に過ごそうと考えているのは、やはり子供の頃の私がそういう温かな思い出を持っているからかもしれません。夫が子供達をお風呂に入れ、お風呂上がりの子供達は私が受け止め、就寝支度ができたら、私は職場に戻ります。子供達を寝かせつけるのは私よりもずっとずっと夫の方が上手なのです。お仕事頑張って、と言ってくれる子供達の寝顔を見る事ができるのは、夜中になってからですが、この天使達と、共に眠る大熊の寝顔は、疲れを吹き飛ばし、明日への活力となっています。 子供たちの笑顔があるからこそ、夫の支えがあるからこそ、育児を楽しみながら仕事を続けていけるのだと、感謝せずにはいられない毎日です。ありがとう。 |